脂肪吸引|医学2

● スマートリポ(リポレーザー)、ならびに、プラズマリポ

脂肪吸引の医学|スマートリポスマートリポ施術中のDr.木村と
スマートリポ本体

スマートリポはイタリアDECA社製で、脂肪層内に直径1mm位のカニューレを入れ、その先端からYAGレーザーを照射し、発生する熱で脂肪を焼勺、脂肪を油(オイル)にして、その後2〜3ヶ月までに吸収・分解・周辺組織の拘縮を期待する治療法です。しかし実際に私が使用してみて線香花火のようなレーザーでは、一回の施術で少しの変化しか出せないと分りました。
またリポレーザーは韓国製で業者の人がクリニックに器械を持参し、ステーキの脂肪の部分を焼く実技を見せてくれましたが、確かにスマートリポより火力が強いのを認めました。しかし、これは以前の体内式超音波脂肪吸引を思い出します。体内式超音波脂肪吸引は皮下で高エネルギーを発するため皮膚・皮下の引き締まりが期待できる反面、皮膚・皮下熱傷、皮下水腫、皮下創傷治癒遷延がありましたから、これは上手く使わないと危ないと思います。熱で脂肪を焼いて死滅させ分解吸収を狙う脂肪吸引とは別次元の器械です。

● 脂肪溶解注射(脂肪溶解剤:Lipostabil)

脂肪吸引の医学|脂肪溶解注射脂肪溶解注射液 

ホスファチジル-コリン(Posphatidylcholine:PPC)は大豆レシチンの成分であり、高脂血症や脂肪肝の治療薬でもありますが、これをメソセラピー(Mesotherapy)として皮下に注射することは脂肪溶解治療(Lipodissolve)として近年盛んです。で皮下脂肪が溶け出し分解物は血中を経て汗や尿や便として排出されます。副作用は痛み・赤味・痒みであり、炎症を起こすために1箇所に打ち過ぎて皮膚壊死の報告もあります。また一度に広い範囲に打つことが出来ず、また一回での脂肪減少の効果は少しであるため同一部位に何回も注射しなければ満足を得る結果が出せません。そして私の経験的には4回注射しても脂肪吸引1回には遠く及ばなかったという実感があります。

● エンダモロジー

脂肪吸引の医学|ハエンダモロジーLPG社Cell M6          エンダモロジー施術中 

エンダモロジーはマッサージであり局所脂肪を薄くするのに効果あります。LPG社の機器はアメリカFDAの承認も取れており、お尻周辺などにある皮膚のボコボコであるセルライトの解消にも効果的です。しかし継続して施術を受けている分には、確かに四肢体幹は細く、皮膚もしなやかになりますが、これは新陳代謝や血行が良くなるためであり、脂肪が燃焼してしまう等ではありません。ですから施術を終了して3ヶ月もすると、ほぼ元に戻ってしまいます。医療というよりエステの施術と考えた方が良いでしょう。
ただ私は脂肪吸引後に使うと早くしなやかに回復するので、そういう使い方は積極的に行っています。

● カーボメッドと高周波器・加温器

脂肪吸引の医学|カーボメッドと高周波カーボメッドで炭酸ガス注入中        高周波器・加温器

カーボメッド(Carbomed)はイタリアのDECA社製で、炭酸ガスを皮下脂肪に入れることで代謝を上げ脂肪を薄くするというものですが、エンダモロジーと同じく数回以上施術して効果をあげるものです。エンダモロジーが施術中心地良いのと比べ、カーボメッドは痛いのが辛いです。また代謝をあげる血流を良くするというのは、施術を止めて3ヶ月もすれば元に戻る傾向です。
高周波器や加温器は施術中痛くないのは良いのですが、他の点は同様です。

● エルコニアレーザー / ウルトラシェイプ

脂肪吸引の医学|エルコニア ウルトラシェイプこの2機種は美容外科学会で業者の強い意向の元の発表を聞いたのとパンフレットを読んだだけなのですが、エルコニアレーザーの発表の中で、脂肪細胞の膜が破れて中の脂肪液が流れ出るとはあったのですが、「脂肪細胞は死んでない。」「エルコニアレーザーを照射した脂肪を脂肪注入にも使える。」とも言われたは気になりました。つまり脂肪細胞自体は生きており、注入に使える位ダメージは少ないと受け取れます。
やはり皮膚の上からの照射で皮膚を傷めずに脂肪だけを分解とは無理なのかとの思いです。
このような機器は通院中は効果は上がっているにせよ、通院を止めて3ヶ月〜半年以上経っても効果が持続しているのか知りたいものです。